クリエイティブのEP-AVNAIRをいじってみる。
カナル型ではないので、色々な部分の考え方が違っているようだ。
先ず出音。
耳に密着させない、密着できない状態で音を出すため、当然低音が抜けまくる。このため、低音をかなり派手に出している。また、高域がかなり弱い。聞こえてはいるものの、最近の「ハイレゾ感」を意識したイヤホンとはかなり違った印象。少し物足りなく感じる。
また、中域、特にボーカルあたりもかなり強調してある。これも耳に密着させないで聴く場合に、ボーカルが遠くならない様にしているようだ。
特徴的な造りとして、音抜き穴。
穴というよりもうほとんど開口部。かなり大きく開けている。
分解。
接着剤で軽く止まっている程度。
作り自体は悪くないのだが、最近のイヤホンとは大きく異なる。古いアルティメイトイヤーズのイヤホンをバラした時の感覚に近い。
この時代、接着剤の使い方やフィルターの使い方など試行錯誤段階だと感じる。「密閉」という意識が低いようだ。
また、ドライバ背面の穴の多さに驚いた。開放してしまおうという開け方だと思う。
ここの処理は全体の出音に大きく影響していると思う。
カナル型ではないので音の取り出し方法が問題となるが、今回は写真の位置をくり抜き、パイプを接続して取り出すことにした。
高音が欲しいので、もう少しドライバの中心から取りたいが、カスタムシェルの大きさ的にこの場所が限界かな。
カスタムシェルに入れたところ。うまく入ったが、かなり苦労した。
パイプは5ミリを使って、ドライバとの接続はレジンをつかった。
フェイスプレートを付けない状態での出音。
イヤホンを装着しても、密閉感が全くないことに驚いた。外音がほとんどそのまま入ってくる。
ドライバ背面の穴が影響していると思う。
出音は驚くほど開放的。楽器も左右に大きく配置されるのだが、EX1000ほどは極端ではない。
でも、あくまで空間が広いというより開放的。
細かな音を完璧に再生することから生まれる空間というより、気持ちよく響かせてやる事で自然と生まれる見晴らし?的な感じだと思う。
これはこれで気持ちいい広さ。
ただし、この状態では高音が全く不足する。また中域が刺さる。チューニングしないと使えない。
フェイスプレートをつけた。
今回はシンプルに真っ黒にした。全然悪くない。
(^_^)
完全密閉状態では、遮音性が確保できたが、開放感が少なくなってしまったので、音抜き穴で調整した。今の段階では0.6ミリとした。
出音は、まだ中域がかなりキツい。
また、高域も全く不足。
ドライバ背面の穴を調整してやると改善すると思うのだが、開放感が少なくなり、他のイヤホンと一緒になってしまう。。。
試しに、イコライザで調整してみた。
1k付近をガツンと下げて、4k以上をガツンと上げると、かなり気持ちよく聴けるようになった。
xdp30でも全然悪くない。
めちゃくちゃ広い空間と、しっかりした低音。解像度はxdpが補ってくれているようだ。
もう使わないだろうと思っていたDAPだが、イヤホンによっては充分楽しい。外出用として気軽に持ち歩くのには悪くないと思う。
このイヤホンはxdp30専用としてこのままで使うことにした。
〜後日〜
電車の中で使ってみた。
遮音性がかなり低い。車内アナウンスまで聞こえてくる。ここまで遮音性がないのは、カスタムイヤホンでは初めてだ。
だが、、全く悪くない。低音が強力なのでノイズに負けてない。ちゃんと音楽に集中できた。
空間の広さはどうやって作ればいいか、長く悩んでいたが、回答の1つを得られたと思う。また、カナル型やオンイヤー等の種類により音作りが基本的に凄く変わることもわかった。多分、ヘッドホンのドライバでも同様の傾向があるのだろう。
今回の作品は勉強になったな。
d( ̄  ̄)