続いて、もう少し音質を上げていきたいと思う。
私が気になったのは、中域にある独特の響き。
これを無くしたい。
先ずはイヤホン筐体の「ザ、プラスチック」という感じの質感からどうにかしてみる。
前のブログの最後に100均マニュキアを載せていたが、これを塗りたくる。
マニュキアは、小型の筆も付いているので手間いらず。扱いやすい。
何回か重ね塗りして、分厚い膜を作るイメージ。
これで聴いてみると、中域の響きはずいぶんマシになった。振動の仕方が変わったのか、音が落ち着いた。
本来であれば、この工程はレジンでやっている。レジンだとカチカチに硬い膜になるので、高音を残したままで音が落ち着く。
だが、マニュキアだと、低音が出過ぎてしまった。
聞けないこともないが、モコモコの一歩手前。
こりゃダメだ。。。
てな訳で、低音部を落ち着かせるために、オモリを追加する。
今回は直径3ミリ程度の鉄球とした。100均にはないかな?別に球じゃなくても、小さいボルトなどでも良いと思う。
重さは一個あたり0.12グラム。
ちと軽すぎる。本当は2g以上使いたいのだが、今回は筐体が小さいので妥協した。
こんな感じで固定。この感じだと、ちゃんと蓋が閉まると思う。
本来、ここまでで、大まかな音は完成することが多いのだが、今回はまだ低音が多め。(もう少しオモリを使いたかったが、もう入らない)
そこで、ドライバ前面の筐体に極小の穴を開ける。
これでかなり、音のバランスは改善した。
今回は、ドリルは0.3ミリを使ったが、普通は0.3だと大きすぎると思う。まぁ、たまたまうまくいった。
最後にカナル先端部を再度削り込みながら、左右のバランスを整える。
ほんのすこーーーしだけ削るだけで、凄く表情が変わる。音質バランスが変わるというわけではなく、楽器のピントが変化する感じ。
ここは、時間をかけて調整して欲しい。
ここまでで、ほぼ完成。
さて、出音だ。
明らかな欠点は消したつもりなので、お気に入りのイヤホンと比較してみる。
ZEROオーディオの CARBO BASSO
ユニバーサルタイプのイヤホンは使わないのだが、これだけは使い勝手がよく使っている。
以下のレビューは、あくまで、現時点のチューニングでの比較。音の近さや表情はチューニングで結構変わるのであしからず。
先ず感じるのが、ZEROの方がボーカルが近い。100均は角が柔らかく、少し遠い。これはこれで悪くない。嫌いじゃない。
高音付近はZEROの方が空間が広く上まで広がる感じ。だが、100均もそんなに悪いわけではない。
低音域は量としては同等。だが、ZEROの方が明瞭。解像度が高いというか、低音楽器の輪郭が掴みやすい。
また100均は、全体的に解像度が少なめ。空間の広がりはあまり感じない。なにか雑味があるのか、聞こえている音は悪くないのだが、「空間が広いな」とは感じにくい。
100均でも全体に出音自体はさほど悪くない。このイヤホンでもまぁ使えなくもないというレベルにはできたと思う。
リケーブルや、筐体の大幅入れ替えをしなくても、時間をかけてチューニングすれば、もう少し音は上げられるとは思う。ZEROにも負けないくらいにはなるのでは?と感じる。
チューニングと言っても、ほんのわずかに穴を広げたり、カナル先端部を削ったり、マニュキアを再度塗ったり。。そんなレベル。意欲のある人は頑張ってみて欲しい。
最後に、今回使った主な道具。
写真以外では、瞬間接着があると便利かも。
左のスクレイパーは、筐体を割るのに使う。100均にある。テープは、ビニールテープでもいける。
写真のドリルと接着剤以外は、100均的なものでどうにかなると思う。
〜注意点〜
今回の100均イヤホンは、中域が強すぎたため、ドライバ背面の穴は全て完全に塞いでしまった。多分他の100均イヤホンも似たようなものだとは思うが、普通はドライバの背面の穴は塞がない。
写真はドライバ背面の穴。
ここをどれだけ塞ぐかで、全体のチューニング方法はめちゃ変わる。
出音を聞きながら作業して、もしここを塞がないことを選択したら、筐体の背面にも0.3ミリ程度の穴を開けて欲しい。
筐体の後ろの方。ドライバより後ろならどこでも良い。音を聞きながら0.3ミリ程度から少しづつ広げていく。低音の量がめちゃくちゃ変わると思う。
お気をつけください。
今宵はペーパームーン。
コロナ自粛だが、どうにか乗り切りたいものだ。