これまでは、低域の表現力に特化して音を聞いていたと思う。数年前からの視点の変化は以下の通り。
①〜④の順でイヤホン作りの視点が変化した。
①低音量
先ずは単純に音量。ある程度低音の音量を持ち上げると、高音域が不足する。高音域を追いかけるとドンシャリになる。まぁ、中華イヤホンに多いバランス。すぐ飽きた。
②低音の弾力(ベースが楽しく聴けるか)
単純に音量を増してもプレー内容は把握できない。弾むようなベースが楽しいと感じた。
この頃は意外にBAドライバが適していたと思う。
③低音の締まり
例えばベースの場合、弦を弾く瞬間の音の後に一旦音圧が高まり、その後減衰していく。減衰のタイミング、つまり「締まり方」はイヤホンによって意外に異なっている。うまく調整できたら、とても気持ち良い。
④低音楽器の位置、高さ、空間
目線のあたりの高さを基準として、水平線をイメージする。高音楽器はほとんどの曲で、上の方から聞こえる。
一方、低音楽器を下の方に下ろすのは意外に難しい。と言っても極限まで下に下ろすのも空間が狭くなる。目線の下の空間で適度に配置したい。
この辺りの空間を調整するのは何をどうやったら良いのか、サッパリわからない(多分、制振方法だと思うが。)。
だが、明らかにドライバによって聴こえ方が違う。特に13ミリを超える大型のドライバならその傾向は掴みやすい。だが、9ミリ程度でもドライバによってはかなり優秀な音を出す。
先日試聴したゼンハイザーのIE900は、この低音配置が特に素晴らしかった。結構低い底の方でベースが鳴るのだが、音圧が高まるとそれがグッと上がってくるような。目線から下の空間がとても有効に使ってあると感じた。
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一方、目線から上、中域〜高域の表現については、あまりこだわって取り組んでこなかった。
だが、「正確な音」が必要だと思う。
例えばハイハットやシンバルの音でも、ちとお安いイヤホンだと、実際の音と少し違う音がする。解像度ともちょっと違う、「正確さ」という視点は大切だと思う。アコースティック楽器の音源などだと空気感に大きく影響する。
例えば、イーイヤで、1万円程度のイヤホンを聴きまくった後で、ゼンハイザーIE800を聴いてみて欲しい。結構違うことがわかると思う。
そんな中、先日、これを聴いてちとビックリした。
FITEARのTG334
4ドライバだが、音のつなぎ目に全く違和感がない。低音も問題ない。特筆すべきは目線より上のボーカルあたりの空間表現。
独特の広さ?味付け?があり、何が何だかわからないのだが、素直に良いと思えた。BA独特の音なのかもしれない。いじり倒してみたいものだ。
この334を聴いたあたりから、音の好みが少し変わってきたと思う。高音よりの部分にも意識が向きだした。
さて、どうなりますかな。
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