自作備忘録(カスタム IEM 自作)

イヤホン カスタム iem 自作

final A3000②

f:id:domingo55:20210607074541j:image

以前組んでいたfinal A3000。

かなり適当に組んでいたので、音は悪くないのだが、いまいちキャラクターが立たないというか、他のイヤホンを押し退けて使うまでには至らなかった。

 

低音の充実を狙って、ドライバの位置がカナル先端部から距離があり、また音導管の太さも3ミリと細くしていた。

当時の知識では、音導管の太さを細くする以外に効果的な低音補強方法がなかった。また、内部のレジンはグミタイプの柔らかいものを使っていた。

 

f:id:domingo55:20210607075059j:image

フェイスプレートを外した。

ドライバの配置が浅い。もっともっと深く配置しても良いと思う。

ただ、ノーマルA3000の持ち味である「柔らかさ」を狙うのならこれもありだったもしれない。

但し、今考えると、柔らかさを狙うのであってもドライバの位置は鼓膜の近くにしておいて他の部分で調整すべきだったと思う。

という訳で、解体した。

d( ̄  ̄)

 

f:id:domingo55:20210607075418j:image

解体後の音導管の再構築。

ノーマルA3000の部品は、先端部を切り込んで短くした。これは、ノーマル部品の音導管も3ミリ程度だったため、太く作り直し、音の広がりを改善するため。

音導管は、6ミリとした。

ユニバーサルイヤホンでは、採用できない太さだが、カスタムシェルなら可能。最近は多用している。音導管による音の劣化感覚が全く違う。高音だけでなく低音も含め音がかなり鮮明に聴こえる。

 

f:id:domingo55:20210607075912j:image

ドライバの位置はかなり追い込んだ。

組み直す前より1センチ近く鼓膜に寄せられていると思う。

但し、シェルは大きく切り刻んでしまったが。。。

d( ̄  ̄)

 

f:id:domingo55:20210607080048j:image

とりあえず、フェイスプレートを付けて聴けるようにした。最低限のチューニングもして、とりあえず聴ける状態にした。

フェイスプレートにレジンを被せていないので、工作感がすごいな。。。

d( ̄  ̄)

 

 

さて、出音である。

これがかなり良い。とても気に入った。

高音域が気持ちよく抜ける。量も多めなのだが、全く刺さらず嫌な感じがない。空間も広く、空間は澄んでいる。付帯音や残響音はそんなに長く伸びる訳ではないが、物足りないと感じることはない。

そして低音がちょっとびっくりな感じ。

6ミリクラスのドライバでも、十分以上の低音量を得られることは分かっていたが、以前作ったE3000カスタム(同じfinalの6ミリクラスドライバ搭載機)よりも断然低い音が出ている。またその低音が「硬い」。バスドラなど、10ミリクラスのドライバより硬く重い音が出せていると思う。ちゃんと音圧が感じられる。だが、低音の量自体は多過ぎず、下方向の空間も見渡せる。ベースの弦の「震え」を感じられたのはdita dream以外では初めてかもしれない。

また、ボーカル等の中域も透明感がある。ノーマルのA3000を聴いた時に、この透明感を印象的に感じたが、ノーマルの透明感が優れたレンジを上下に拡大できたと思う。

音導管のセレクトやドライバの配置は大正解だったようだ。

d( ̄  ̄)

 

実は最近、A8000の視聴を繰り返していた。特に買いたいわけではなかったのだが、ゼンハイザーのIE900と聴き比べるのに使っていた。A8000の音は高音域が上方へ気持ちよく抜け、空間配置も見通しが良い。低音域もよく整理されていて良質だなと感じていた。ただ、筐体がすごく重く制振しすぎ?なんて感じていた。

今回のA3000カスタムは、かなりA8000に迫れたように思う。後発のドライバだし可能性はあると期待したい。まぁ、余裕ができたら比較試聴してみようと思う。

d( ̄  ̄)

 

 

◯まとめ

6ミリクラスのドライバは、最近少し避けていた。低音があまり伸びず、つまらないと感じていた。

だが、finalの新作6ミリドライバは凄かった。ノーマルA3000、A4000のチューニングはまだ詰められると思う。今後の機種に期待したい。