何回目の組み直しだろう。
回数を数えるのがバカらしくなってきた。
中域を柔らかくすることを狙って、ドライバの挿入深度を5ミリ程度浅くした。通常、イヤーピースで使うときの深さに近いはず。
またこの場合、ノーマル筐体の音抜穴はカスタムシェルの中へは入らないと判断し、カスタムシェルの高さは思いっきり低くしたので見た目は改善した。
シェルの色は黒とした。ti3の場合、こっちの方が格好いいな(^^)
さて、出音。
相変わらず低音が不足する。いい塩梅だと言えばそうなのだが、好みからすれば、スッキリし過ぎ。
だが、組み直しの前後で、解像度に大きな変化があった。今回は解像度がむちゃくちゃ高い。というか、高音部の細かな空間がかなり伝わってくる。ドライバの挿入深度や角度でピントが合うような状態を作れると思うが、図らずも今回はそれに近づいたのだと思う。(^ ^)
これはこれで、まぁ、アリなのだが、低音が不足している原因をさぐりたくなった。
手持ちのルーペを使って、音抜きの穴を観察すると、右側ユニットの内部にレジンらしきものが見えた。かなり注意して組んだつもりだったが、作業ミスをしてしまっていたようだ。
写真は0.3ミリのドリルで音抜きの穴をクリーニングしている様子。
内部構造を傷めたくないので、慎重に作業した。案の定、ドリルによって削り取られたレジンの粉が出てきた。
やれやれ。一時はどうなるかと思った。
出音は、低音がバッチリ沈み込む。若干、ユルイ気もするが、力感にひたりたい時に使いたいので、このままで良しとする(まぁ、レジンの硬化でしまってくると思うが。)
解像度もかなーり高い。BAドライバ10発クラスの解像度があると思う。
BAドライバの場合は、線の細さが際立ち、細かな「音そのもの」を聴かせる感じだが、ti3の場合は音そのものではなく「音の反響音」音の背面の空間を丁寧に表現してくれる感じ。これはすごく楽しい。実際に楽器を前にして聴こえる音は、こちらの方が近いのでは?なんて、感じる。(^ ^)
この音質なら、dita answerカスタムと楽しく使い分けができそうだ。とりあえず、もう分解して作り直したりはしないかな。
さて、今後に向けての課題を整理しておきたい。
・ドライバの位置決め方法
今回、こんなに何度も組みなおすことになったのは、ドライバの位置にこだわりまくったから。ユニットの性格により、鼓膜に近づける方が良いのか、距離を取る方が良いのかが出てくると思う。
また、レジンで固めてしまってからの作り直しは新作を作るくらいの手間がかかるので、もう少し簡単に音を確認したい。
・空気抜き穴
ti3は現状では、空気抜きの穴は開放しているが、うまく処理できないと、騒音の中での遮音性が、確保できない。
カスタムシェルに導音するとして、その方法にはまだまだ課題が多そうだ。
しかし、よくこんなに分解出来たな。answerカスタムと聴き比べ、つまらないと感じてしまうと壊したくなってしまうので、頑張れたのだと思う(いや、実際に壊したのか?(^ ^)
次の作品からは、この上の音質を狙わないといけない。かなりハードルが高いな。安物買いはしないようにしないとな。
〜以下、作業メモ〜
・カナル先端部レジン回数。左2回。右3回。
・カスタムシェル音抜きの穴。0.5で低音マックス。
・チタンも傷がつく。