次に10ミリクラスを飛ばして、15ミリクラスについて書きたい。
15ミリクラスでは、
SONYのMDR EX1000やアシダ音響の EA-HF1がある。EX1000も大好きだったのだが、今はアシダホンの方に注力している。
写真は今の状態にする一つ前のバージョン。この子も何度も組み替えた。
ノーマルのデザインは戦後頃のアシダ音響のスピーカーの背面をイメージさせる感じで嫌いじゃなかったのだが、曲面が多くカスタムシェルと馴染ませるのが難しかった。
ノーマルのアシダホンは低音過多な印象があり、いまいちだと思う。コストかデザインに負けてしまったかな?
だが、ドライバの背圧を調整し、制振量を増やしてやると恐ろしく高級な音を出すようになった。各社のハイエンドと十分に勝負できていると思う。高解像度で上下のレンジがかなり広い。空間も広いのだが、特に下方向へ広く楽曲によっては、とんでもなく音が沈んでいく。
この低音域の沈み込みの深さは、10ミリクラス以下のドライバではなかなか出せないと感じている。
原音に近いかというと、違うと思う。5ミリクラスドライバで聞く音の方が正確なのだと感じる。ただ、ボアボアと膨らまない、よく制振された低音がどこまでも沈み込む感覚は理屈抜きに楽しいと思う。
また、広い空間に漂う細かな音もかなり鳴らしてくれる。dita dreamにはかなわないものの、IE800とはいい勝負だと思う。
ただ、15ミリクラスのドライバはかなり難しいと思う。
まず、良いドライバがなかなか無い。オンイヤー形のイヤホンでは15ミリクラスのドライバは多いが、密閉せずに使う事を前提として作られているので音のバランスがおかしなものが多く、密閉して使おうとするとかなり苦労する。(具体的にはドライバ背面の圧を抜きまくってるオープン構造に近い)。
次に、制振の仕方が結構難しい。
何もが考えずに片耳5グラム程度のオモリを追加してやると制振はできるだろうが、低音がデッドになりすぎて伸びなくなる。
ドライバが大型になるので、配置もなかなか骨が折れる。
◯まとめ
15ミリと大型になっても、高音の再生力は落ちるわけではない。ただ、優れた5ミリクラスと比較するとやはりそこに差は出る。
高域の得意な小口径。低域の得意な大口径。
間違いなさそうだ。
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