自作備忘録(カスタム IEM 自作)

イヤホン カスタム iem 自作

聞いたことのない音 7ミリ

 

今週は、イヤホンばかり作業していた。

先日、dita dreamを組み直したのだが、音質は満足いくものの、乗り物の中などでは若干低音が不足する。もう少し強調したい。イヤホンが出せる低音のレベルとしては、申し分ないが、ヘッドホンと比較するとまだ先はあると思う。

 

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ちと汚い写真だがご容赦を。今回のポイントは音導管の太さ。

左から外径4ミリ、5ミリ、6ミリ、7ミリ。

たかが1ミリの差だがイヤホンに入れようとするとものすごく変わる。特に7ミリの大きさは半端ない。これまでは7ミリは諦めていた。

 

音導管は細いほど高音が減衰し、合わせて音量も下がる。一方で、低音量はあまり変わらない印象だった。BAドライバ機などでは2ミリを多用する。音の減衰する性質を考えるとかなり「?」な設定だが、採用機種は多い。

一般的なイヤホンでは、3.5ミリや4ミリが多い。ソニーの一部の機種で4ミリ以上を使っている例はあるが、音導管部分の肉厚を減らして内径を広くしているレベルで、イヤーピースを使うのであれば、限界はこのあたり。まぁ、よく聞く音というか、普通の音。

 

5ミリを超えると空間表現力が大きく変わる。若干、高音量が増えながら音の奥行きが増す。演者の立っているステージの奥行きが増すような感じ。低音も増える。

 

6ミリになると、空間表現力がさらに増す。高音量は変わらないが、なぜか低音が増える。沈み込みが深くなるだけではなく、量自体も増える印象。

この段階でも満足できていたのだが、低音を増すために7ミリにチャレンジしたくなった。

 

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リューターで無理やり内部を拡大し、7ミリを突っ込んでみたところ。

一部シェルが薄くなりすぎて穴が開いたり、パイプ自体が真円を確保できなかったりしたのだが、まぁ入れることができた。

写真からもわかるように、本当にこれが限界。これ以上太くなると、そもそもイヤホンが無くても私の耳には入らない。

両耳、同様に加工して試聴した。

音は見事に低音主体になっているのだが、解像度が低下したような印象があった。

リューターで削ったために、内部がザラザラになった事で高音が乱れてしまったのだと思う。

低音量自体が増えるわけではないと思うのだが、何かの作用で、「低音が認識しやすくなった」と言えそうな感じ。

 

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解体。dreamはかなりの回数解体したな。もう数え切れないくらい。。。今思うと失敗も多かったが、貴重な知識を与えてくれたと思う。

 

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元の筐体の状態。シェルに入れる自由度を増すために、かなり切り刻んだものだ。

今となって思えば、イヤーピースをつける部分を切り落としたのが大正解だったと思う。

今回はこのまま使用した。

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角度や挿入深さを見直しながら組み上げ。今回は格好良く入れられた。

だが、7ミリパイプを使用したため、巨大な開口部となった。こうなると、ゴミの侵入対策が必要かも??

また、フェイスプレートを外して、出音を確認しながら内部のレジン量を調整した。今回はグミレジンは使わず、全てハードレジンとした。

シェルの音抜き穴も調整している。

 

 

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さて、出音。

今回はバイヤーダイナミックのxelentoを比較につかった。

 

まず、6ミリに比べて空間が広い。前後左右も広いが、それより前後の空間が広く、配置がとてもわかりやすい。

期待した通り、低音はかなり聴きやすい。量も増えているが、アタック音が多くなっており、バスドラの音を拾いやすい感じ。ただし、沈み込みはそんなに変わっていない。

ベースの音量が小さい曲ではそれなりに。ベースの音量が大きい曲ではしっかりと聴こえる感じ。低音がを強調したイヤホンを作るとこうはならず、どんな曲でもベースの音量が上がるのだが、大変いい感じだと思う。

 

さて、今回、出音関係で最も驚いたのが、管楽器の聞こえ方が変わったこと。

トランペットやサックス、ホルンやチューバなど、管楽器の音がとても綺麗に魅力的に聴こえる。独特の音のカスレがうまく音に乗っていて、いつまでも聞いていたくなる。吹奏楽やビッグバンド等の音源が楽しい感じ。

それだけ、リアルな音を出せたという事なんだろう。聞いた事のない音だと思う。

 

xelentoと比較した。

xelentoも解像度が高く、低音の音圧も優れたイヤホンだと思うが、全く聞く気にならなかった。Dreamカスタムに比べて、空間が狭すぎ空気感が詰まってしまう。また高音も不足し、こもって聴こえてしまう。イヤーピースが悪影響を与えているように感じられて仕方ない。

次はこの子もカスタム対象にしたい。。

d( ̄  ̄)

 

さて、7ミリ音導管はなかなか可能性を感じさせてくれるものだった。もうすこしDreamでチューニングを進めた後、他のイヤホンでも試してみたい。