自作備忘録(カスタム IEM 自作)

イヤホン カスタム iem 自作

IE800 第2章② 〜本当のハイスペックとは?〜

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久しぶりに早く帰れたので、組み上げてみた。

以前組んだ時には筐体をシェルの中に入れてしまうことにこだわったが、今回は素直に外に出した。

ノーマルの音抜き穴もそのままとし、シェルの中には引き込まなかった。理由は、見た目を重視ってやつ。IE800については、自然な音にしたかったのもある。d( ̄  ̄)

 

◯作成上の工夫など。

音導管は、約6ミリと極太。最近、音導管は太めの方がいい結果になると感じている。

 

最も注意したのは、ドライバの挿入深さ。

ノーマルのIE800は、「音が遠い」と言われる事も多いように、挿入深さが浅いと迫力に欠ける音になる。今回は目一杯深く(鼓膜に近づけた)。あと、挿入深さもできるだけ直線的にした。

 

制振用のオモリは無し。レジンも柔らかめなものを使用した。

 

 

 

さて、さて。出音である。

◯音の近さ

音がちゃんと普通に「近い」変な広がりも無く、その点では欠点は克服できたと思う。鼓膜に近づけたのは大正解だ。

◯柔らかい

音全体の印象としては、「柔らかい」。決してボヤけたり曖昧になることは無く、むしろ高解像度で鮮明なのだが、高音部の攻撃性がない。他の最新イヤホンでは、ハイレゾ感とか言いつつ高音部がギリギリまで攻め込んである印象だが、そのギリギリ感が無く、音量をあげていっても素直に心地よい。

 

◯音のバランス

高音、低音は全く不足なくベストなバランスだと思える。

低音は、締まりまくっている訳ではないが、ベースやキックの輪郭は明瞭でそのまわりに、柔らかい付帯音がつく感じ。これはこれで、大正解。上手いなーって感じ。

 

◯空間表現

悪くない、聴いている分には不快は感じない。普通の基準で聴くと、おそらく「空間は広い」と表現されるのだろう。

だが、アシダホンと比べてしまうと狭い。左右も前後も全く及ばない。

IE800は8ミリクラス、アシダホンは15ミリ。やはりドライバ口径による特性の差は絶対的だと思う。

 

 

◯まとめとして。

空間は普通なものの、解像度が高い。解像度が高いのに全く刺さらない。

この解像度が高いのに、全く刺さらない。音が攻撃してこないという感覚はとても好ましい。女性ボーカルやハイハットに素直を注意を払えることで音楽の感じ方が全く違ってしまう。最近の音楽の聞き方が間違っていたなではないか?なんて思ってしまうほど。。

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最新のイヤホンはとにかく高音が鮮明。そのおかげで細かい音が聞こえたり、空間が広くなったりしている。ハイスペックなんだと感じてしまいがち。

しかし、音楽の最も美味しい部分 〜絶妙な楽器間の干渉〜 が生み出すグルーブ感が感じにくくなっているのではないか。。その意味では本当のハイスペックとは、音じゃなく、音楽を聞かせてくれるモノであるべき。

昨日までそんな事は思わなかったのだが、このie800を聴いて、最新イヤホンたちの方向性に少し疑問を持ってしまった。

 

IE800で聴く音は、新しい細かい音が聴こえたり、広大な空間に酔いしれたり。。そんな音では全くない。全部知ってる音。聴いたことのある音。

だが、聞き慣れた音楽がまるで新しい曲を聴くように、新鮮に聴こえている。

 

 

「こんな音入ってんだ」ではなく、

「こんなグルーブだったんだ」

 

 

私のイヤホン作りに、重要な視点を入れてくれたと思う。作ってよかった。

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IE800 第2章①

やっとで休みが取れた。3週間ぶり?

日曜だけの休みだったけど、気持ちはずいぶん違う。まぁ、ブラックやな。d( ̄  ̄)

 

最近は専らアシダホンばかり使っている。不満はないのだが、少し飽きてくる。そこで色々なイヤホンを聞き直してみた。

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IE800カスタム。

カスタムイヤホンを作り出した初期に作ったもののうち、最もよくできた作品だと思う。

今考えると、かなり適当に組んだものだが、出音はなかなか。各帯域バランスよく、解像度も高い。空間も広くジャズ的には問題ない感じ。ただ、それぞれの音が若干遠く、迫力という面では一歩譲る。

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この時代は、シェルの中に大量に錘を入れるのがマイブームだった。今考えると、めちゃくちゃたくさん入っている。まぁ、たくさん入れた方が格好いいとも言える。

また、シェルは「手磨き」で仕上げていた。リューターに色んな先端を取り付けて、何時間もかけて磨き込んだ。まぁ、質感としてはコーティングよりも良いと感じる。

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フェイスプレートを外したところ。

ゼンハイザーのロゴが懐かしい。

ノーマルの筐体があまりレジンに埋もれていない事から、錘を入れまくったのに低音が変にならなかったようだ。

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簡単に分解できた。

IE800の筐体は仕上げが美しい。また、驚くほど小さい。仕上げも丁寧で、大変いい感じ。

今回はこのまま使うことにする。

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さて、新たに再カスタム化するにあたって、視点を整理する。

 

◯ノーマルの音抜き穴

音抜き穴はシェルの中に入れて、別に作る方が低音量などの調整幅が広がるが、仕上げが美しく、また造形的にも面白いので、そのまま使うことにする。

一度組んでみて、気に入らなければ再考しよう。

 

◯音の出口を最大限、鼓膜に近づける。

ドライバが鼓膜に近づくと、音が近く、鮮明になる。一般に言われるIE800の欠点を改善できると思う。

 

◯適切に制振

内部固定には柔らかいレジンを使い、制振しすぎないようにしたい。

 

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ドライバの位置決めを開始した。

この作業が肝になるので、時間をかけたい。

ノーマルのユニットが小さいので、かなり深く入れられそうだ。(^^)

 

 

さて、次の休みはいつになるのだろう。

まぁ、のんびりいきますか。

 

 

仕事抜けた。〜アシダホン〜

8月以降、仕事が忙しすぎて、寝る暇もないくらいだった。9月中はろくにイヤホンも触らなかったな。。、

だが、今日から10月。久しぶりにちゃんと寝てまぁ頑張れる感じになった。

まぁ、数年に一度、こんな事もあるって事で。

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この間、アシダホンカスタムばかり聴いていた。

チューニングがうまく仕上がり、不満のない仕上がりになってきている。

dita dreamを含む全ての私の所有イヤホンの中で1番良い音になった。

低域〜高域までのバランスはどこかに偏ることはなく、レンジも広大。不満はない。

解像度も上がってきて、これも不満なし。空間が中域を中心に深く、とても心地よい。

組んだ直後は、ベースラインの輪郭に癖が出た。「指紋で弦を擦る音」が強すぎるというか、変な倍音が混ざった。しかし、今はそれも改善した。

ガチガチに制振するのではなく、最小限の制振が、ポイントになったと思う。

 

 

いやー。素晴らしい。五千円クラスでここまでの材料に巡り合えるとは、やはり、大口径のドライバの方が潜在能力は高いのだろう。今年は後3ヶ月しかないので、ほぼ今年のベストバイになる可能性大だな。

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intime 翔 聞いてみた

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聴いた聴いた。d( ̄  ̄)

と言っても試聴のみ。

 

一聴してわかるほど、音作りが変えてあった。

なるほどね。渡部さん、そうきましたねって感じ。

これまでのintimeとは音のまとめ方が違う。ツイーターの音は全く主張せず、あくまでも自然な音作り。低音の沈み込みも十分楽しめる範疇だが、主張しすぎない。

録音されている音以上に何処かを主張させない感じ。最近、この事の優位性をすごく感じている。

オリジナルの音源以上に何かを主張させると、必ず何処かに無理が出る。多少は色を付けたいのに、色が濃くなれば濃くなるほど、代償もあるものだと。

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そして、翔のいちばんの特徴は、中域にある。

中域付近の音の響き。リバーブのかかり方がよく分かる響き方をする(詳細は9月8日のブログ「正確な音って何だ?」を参照してください。)。

この為、空間が奥にグッと広がり心地よい。

イヤホンを耳に突っ込み音を出した瞬間に、この空間がこれまでのintimeとは全く違う特徴だと感じた。

 

だが、全体になにか、若干の違和感が感じられた。

楽器の鎮座する場所が、微妙に欲しいところからズレる。この感覚の正体は分からなかったが、エージングが進んでいないのが、耳への装着方法が悪かったのかな?理由はわからなかった。

 

〜まとめ〜

intimeの音作りの変化を感じられて、今後の発展の可能性を十分感じられた。今後、進んでいく音の方向にも共感できた。

 

しかし、今回の翔は多分買わない。価格が高いのもあるが、最近使っているイヤホンたちと音の方向性が似ているから(アシダホンEA-HF1 カスタムと、同じ方向だと感じた。)。

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なんてね、購入してじっくり聴き込むとまた違った感想になるとは思うが。

 

 

 

 

 

 

 

 

Cayin N3Pro 通りすがりに試聴。

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Cayin N3Pro。最近発売され、真空管が搭載されている他に、バランス接続回路もあり、なかなか評判とのこと。

気になっていたので、試聴した。

手持ちの機材の関係で、3.5ミリジャックしか試せていない。つまり、真空管のみ試聴。バランス接続はまた今度。

 

自分のSDカードは使わず、試聴機の中の音源のみ。

イヤホンはアシダホンEA-HF1 カスタム。

まぁ、通りすがりにサラッと聞いた程度。

 

残響音を長く鳴らす感じが印象的。但し、ボーカル等の前に出したい楽器はぼやけることはない。解像度も問題ない。

また、空間は中域付近を中心に深い。AKのように上に突き抜ける感じではない。

結果として、とても柔らかい空間を聴いているという感想になる。アニソンやハードな曲など、鮮烈でスピード感が欲しい人には関心が持てないと思うが、スローな雰囲気を求めるときにはいいと思う。

 

操作性等は、qp2r を使い慣れてる私からすると、神級に使いやすい(まぁ、そりゃそうか。)。大きさも手頃。

 

安いものを買うつもりはないのだが、ちょっと気に入ってしまった。

何度か試聴してみようと思う。

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チューニング、あれこれ

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DITA dream のカスタムに手を入れた。

イヤホン筐体とシェルの接触する部分を極力少なくしながら、シェルの厚みを少なくした。

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角度をかえたところ。

薄くなったのがわかると思う。

アシダホンをチューニングする際に、接地面を調整する事で、低域の力感が大きく変わったので、その応用。

というか、この方が断然格好いい。。

フェイスプレートも変更して黒っぽくした。

やっぱり、このくらいの色目が格好いいと思う。

 

出音は変わった。

劇的に変わったわけではないが、低音の深さが変わったと感じる。

低音が変わると中域の張り出しも少し柔らかく感じられ、音量を上げやすくなった。

 

こういうちょこっとしたチューニングを積み重ねていく事で、完成に近づいていくんだともう。

まぁ、焦らず、ゆっくり進めていきたい。

 

 

 

対してアシダホン、EA-HF1 。

空間の広さはDITA dream と同等。表現力も劣らない。

ただ、ベースラインの質感がちょっと気になる。ベースの輪郭がほんの僅かにボヤける。

悪いわけではないのだが、「弾けるようなベース」にはならない。

制振の塩梅で変えられると思うので、ノーマル筐体の部分に少しづつレジンを追加して変化を見ている(写真だと分からないくらいなので、省略)。

 

 

 

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やっと少し涼しくなってきた。

今年の夏も異常に暑かったな。。。

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正確な音ってなんだ?

例えば、自分で作った曲をバンドで演奏する。

マイクを数本使って楽器ごとに録りわける。ミキサーを使って各楽器のバランスを調整する。それでも楽器の音はカブりまくる。それだけでは全然スッキリしない。

そこで楽器別に、軽くリバーブ(残響音を遅らせる効果。乱暴に言うとエコーみたいなかんじ。)をかけてやる。いきなり音が整理されて聴きやすくなる。

バーブにより、楽器は前後に配置される効果が出せる。(カラオケのエコーのように盛大に音を響かせたりはしない。)ドラムなど後ろに立たせたい楽器には深めにリバーブをかけ、ボーカルなど前に立たせたい楽器にはあまりかけない事が多いと思う。

 

バーブでうまく調整してやると、ラジカセなど低品質な再生機器で聴いても、音が断然聴きやすくなる。d( ̄  ̄)

 

 

さて、そこでイヤホンの話。

自作的にイヤホンの音質を語る上で、「音の響き方」は外せない。

 

ヘッドホンや昔のイヤホンなどでよく見かける手法に、ドライバの背面を大きく開けるというものがある。ドライバの背面を開放すると、ボーカルを含め高域から低域まで全ての音が響きだす。響いて欲しくない音まで遠くなり、手法としてはかなり間違っている。楽器ごとに響き方の深さは違うはずなので、正確な音とは言えない。そもそもトンネルの中で聴いているようになり、気持ちよくない。

 

一方、高い解像度で細かい音まで表現するとどうなるか?なるほど、空間は若干広くなり楽しく聴けるようになる。

だが、まだイマイチ。楽器の細かな響き方、リバーブの違いは伝わってこない。

解像度を上げると細かな残響音の響く長さは短くなる傾向が強いと思う。その事が、空間は感じるものの、音を平面的にしてしまっていると感じる。解像度の追求ではなく適切な制振に鍵があると思う。

 

アシダホンEA-HF1 。

まぁ、普通のイヤホンなのだが、こいつがその回答を見せてくれる気がする。

解像度も低くはないのだが、とにかく、中域付近の楽器が見事に「響く」。

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普通に組んだだけではこの音は出なかったが、その後、レジンを少量追加しながら制振の塩梅を変えていっている。

だいぶ、素晴らしい音になってきた。。

他のイヤホンの多くで、響きが平面的でつまらないと感じてしまっている。。

 

多分、レコーディング時のリバーブの深さをちゃんと表現できる事も、「正確な音」の重要な要素なんだと思う。

 

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RHA T20 のチューニングも進めてみた。

音導管の太さを変えたり、音抜き穴を変えたり。

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ステンレス筐体でガッチリ固めに制振してあるのだが、そのせいで音が短く、近く聞こえる。これはこれで良質なのかもしれないが、今の私には合わないかな。EA-HF1 と聴き比べると、空間の響きの差に物凄く差がある。

 

 

 

とまぁ、今週はこんな感じ。

忙しすぎて、人格崩壊を防ぐのに必死。。

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