自作備忘録(カスタム IEM 自作)

イヤホン カスタム iem 自作

KZ DQ6 レビュー的な。分解的な。②

前回からの続き。

 

さて、出音。試聴はsp1000。

先ずはアンバランス接続で、ノーマルケーブル。

予想していたよりかなり良いと思う。そこそこな解像度で音が左右に広く展開する。

ただし、上下には狭い。また、ベースラインあたりは明瞭に強調されているが、その下がスカスカ。空間は余っているのに低い音が満たしてくれない感じ。

続いて、バランス接続。

sp1000の場合だと、いきなり上下左右の空間がグッと広がる。だが、アシダホンと比べると全然狭い。

まぁ、空間が狭い分、音が重なってその分元気よく聞かせてくれる感じは良い。

外でアニソン等を聴くならこれも楽しいかもしれない。悪くない。JAZZを聴くなら断然アシダホンだけどね。

 

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では、プチカスタム。

ベースラインの下の低音を出しつつ、高域ももう少し出して、全体のレンジを広げたい。

先ずは、カナル先端部のメッシュの除去。両面テープで止まっているだけなので、コジれば簡単に外れる。高域が少し広がる。

続いてダイナミックドライバ前の音抜き穴を塞ぐ。ベースラインの下の低音が出るようになりずいぶん気持ち良くなった。

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イヤピースは開口部が思いっきり広くなっているものを使う。また、極小のモノを使う事で、カスタムIEM的に奥まで挿入ができるようになった。但し、遮音性はカスタムIEMほどではなかったが。。。

また、カナル先端部の金属部品の内側の穴の角ほんのわずかに落としている。金属部品だが、カッターナイフで落とせる。この作業で高音部の拡がりがかなり改善される。

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フェイスプレート側の開口部は全閉にしてもあまり音には大きな差が感じられなかった。レジンで塞ぐと変わるのかもしれない。

写真はテープで塞いでみたところ。

 

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内部構造はこんな感じ。

まぁ、クリアシェルだから、外から見えてるけどね。d( ̄  ̄)

 

つづく。

 

KZ DQ6 レビュー的な。分解的な。①

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安かったので、なんとなく買ってしまった。

まぁ、近頃の中華イヤホンの雰囲気を知りたくてって感じ。

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先ずは構造的な所を。

ダイナミックドライバが3台入っている。

10ミリクラス一台と、6ミリクラスが2台。

6ミリドライバは、カナル部から1番遠くに配置されている普通は6ミリを高音に持ってくるだろうと予想していたが、そこはKZ、なにやら訳のわからん場所に配置し、極細の音道管でカナル先端部へ音を導いてある。

つまり、6ミリダイナミック二台は全く高音的な役割が無い。まぁ、ベースラインを強調するためにそうしているというか、そこにスペースがあったのでそこに入れてみたって感じ。

KZの多ドラ機をみてもそんな作りなので、設計思想がかなり特殊で驚かされる。だが、音作りは良くなっていると聞く。不思議だ。

まぁ、前からKZの多ドラは、ギミックというか、なくても良いドライバを無理矢理入れている印象が強い。今回もそんな予感が。。。

 

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別角度の写真。

大型のダイナミックドライバ前面に音抜き穴(黒い丸部分)。穴の大きさから、かなり低音を抜いてあると想像できる。まぁ、6ミリダイナミックから強めの低音が来てるはずなので、ここで抜いているのかな?

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DQ6の作りで1番良いと感じたのはカナル先端部の作り込み。一般的なモノより細く、更に角を落としてある。ここは大きく評価したい。

こうする事で、かなり奥まで挿入が可能となるはず。他のメーカーもコレやれば良いのに。。

d( ̄  ̄)

 

 

つづく

 

 

 

dita answer

最近の課題は、「イヤホンの左右バランスをどう取るか」とういところ。

そもそも私の耳は左右で聞こえ方が違う上に、形も違うので、かなり難しい。

特にバスドラが真ん中に来ない。。。他の楽器は比較的簡単に調整できるのだが。。d( ̄  ̄)

 

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最近はdita dreamとアシダホンを中心に進めていたが、回答に辿り負けないので、アイデアを得るため、他のイヤホンにも取り組んでみることにした。

写真はditaのanswer。大変気に入り、2台買っている。

写真下は筐体の蓋を外し、シェルの中に入れてしまったもの。かなり派手に筐体を削り倒している。3年くらい前の作品かな。

写真上は、筐体をシェルからはみ出してレイアウトしたもの。シェルからはみ出させることで、かなり鼓膜に近づけられている。また、低音を補強するため、音道管には金属部品を使用して追い込んでいる。

 

出音は、かなり真っ当な、一般的なハイレベルな音。

この音と比較するとdita dreamの後の特殊性がよく分かる。

目線付近に、メインとなるボーカルなどの楽器が位置し、他の楽器は程よくその周辺に散らばっていく。空間は広いが、意図してそんなに広く空間を使っていない感じ。

電車などの騒音の中で力感を持って聴くにはなかなか良いと思う。

対してdreamは、各楽器の立ち位置が、answerよりだいぶ広い。空間も広大な空間をかなり広く使っている感じ。静かな部屋で聴き込むと未だに感動を覚える。

各楽器の立ち位置が広いぶん、楽器の細かな表情もよくわかる。奏者のちょっとしたテンションの差による音の差なんかも感じ取れる。

だが電車などの騒音下では、かえって弱さが出てくる。具体的には、例えば音量を結構上げていても車内アナウンスが聞こえる。つまり、細かなニュアンスがなくなってしまう。電車を降りて静かな場所に移動すると急に細かなニュアンスが聴こえだす。

d( ̄  ̄)

 

話をanswerに戻す。

同じ製品でも、写真の2台では驚くほど音が違う。

写真下のモノはかなり高音より。目線より上の楽器の表現力が高い。

対して写真上のものは、かなり低音の力感がある。ベースが同じイヤホンでもチューニングの塩梅でものすごく音が変わる例だと思う。

 

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今回は写真下の作品を作り直すことにした。

先ずは、音のレンジを高音も低音も広がる事を目指してシェルに入れてみたい。

内部配線に、オーグラインの単線を使っている。が、今となってはオーグラインの癖が少し気になるので、普通の銅線にするつもり。

 

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てなわけで、組み込んだところ。グミレジンをつかったり、挿入位置を追い込んだりして、音道管を太くしながらかなり低音も出せている。再生レンジも以前の作品より広くできた。

 

ただし、ベードラが右に寄る。。。。

さて、ここからやな。

d( ̄  ̄)

 

 

 

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新しい世界 世界の賢人16人が語る未来

講談社現代新書

 

なかなか示唆に富んだ内容だった。

インタビュー形式なのですぐ読めるが、インタビュアーが優秀なのか、とても面白い。

コロナ禍の考え方、少し変わったとおもう。

d( ̄  ̄)

 

最近の活動

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最近は記事の更新をあまりしていない。

と言うのも、なかなか気にいる音に辿り着かないというか、ブレイクスルーに辿り着けないため。

 

写真はアシダホンの現在形。前回の記事よりフェイスプレートやら、イヤホン筐体とシェルの接地面の造り込みやら、音抜き穴の塩梅やら、カナルの長さやら。。。

とにかくイロイロいじり倒している。

 

音の到達点を探りたくて、久しぶりにqp2r にも繋いでみると、sp1000購入前より断然進んだ音になっている事はわかったのだが、「いつまでも聴いていたくなる感」がなかなか盛り上がってこない。

 

「いつまでも聴いていたくなる」と言う感覚は実はとても大切だと思う。

その感覚を得られる音の定義はなかなか難しい。高解像度であったり、広い空間、高音〜低音の音のバランスは当然として、遠すぎないボーカルやら、痛くない高音など、色んな要素が入ってくる。

私の場合、特に音の上下配置とベース楽器の余韻が重要となる。

 

音の上下配置は、高音は上から聞こえ、低音は下から聞こえるバランス。特に低音はきっちり目線より下から鳴って欲しい。

 

ベース楽器の余韻は、ベース音収束後の響き、残業音。この辺りが気持ちよく聴こえると、とても落ち着いて聴ける。

アシダホンは、この辺りの表現力がなかなか高いと思う。

 

あと一息だとおもうのだが。。

d( ̄  ̄)

 

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テレワークは気分が沈みますな。。。

 

カスタムイヤホンのキモ

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dita dreamが少し落ち着いたので、より深い低音を求めてアシダホンを再度組み直した。

何度か組み立てと分解を繰り返して、やっとこの形になった。

 

ポイントは、ダイナミックドライバの挿入深さ。

sp1000のエージングが進むまではイロイロと迷走したが、ドライバの挿入深さをめちゃくちゃ追い込む方が音が断然良い。

5ミリも追い込んでやると、ベールを何枚か外したように音が鮮明になる。低音も良く出てくれる。結果として没頭感が格段に上がると思う。

d( ̄  ̄)

 

qp2r でも、同様の傾向があったので、この手法は正解なのだと思う。

ただし、何処までも深くできる訳ではない。耳の形的に違和感のない所までやめておかないと、密閉が外れやすくなってしまう。

写真は、かなり限界まで追い込んでるので、私の場合も動くと密閉が弱くなってしまう。まぁ、メインが電車の中でじっとしているのでOKとした。

また、左耳を右耳より深くする方が音のバランスがとりやすい事もわかったかな。

 

カスタムシェルでイヤホンを作る場合、イロイロなチューニングポイントがあるが、効果の最も大きいのが、このドライバの挿入深さだと思う。

そして次に音導管の太さ。

この二つで音の半分以上は決まってしまうと思う。

d( ̄  ̄)

 

そして、この挿入深さは、ユニバーサルイヤホンでは詰められない部分。そのため、他にあまり事例やマニュアルが無い。でもだからこそ、攻め所だと思う。

アシダホン、音楽が楽しく聴けている。

少し出口が見えてきたかな。後少しだと思うのだが。。。

d( ̄  ̄)

 

 

 

 

BA機 Livezone LZ4

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他人様のカスタムイヤホンを購入した。

Livezone R41の LZ4というイヤホン。

片側4BAとのこと。左耳の調子が悪いらしくジャンク箱に入っていた。本来は13万円くらいの製品。購入額はアシダホン程度。

 

購入の動機は、イタリア製だったから。これまでアメリカ製のカスタムイヤホンしかバラしたことが無かったので、他国、特に工芸的に優れた国のものを触ってみたかった。

 

フェイプレートは木でできている。木を使う場合、気泡が入りやすいのだが、そこは流石に上手に処理されている。また、左耳は時計の部品をレイアウトしてある。私はそんなに格好いいとは思わないのだが、一度しっかり見てみたかった。

シェルの色は、若い感じ。私ならもっとおとなしくするかな。

 

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フェイスプレートは、一度外されているようだ。境目に隙間が見られる。

修理に出したのか?もしメーカーの作業ならちょっと雑かな。

 

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さて、音出し。

このシェルは意外なほど、私の耳にスッと入って痛みはなかった。

軽く指で保持してやると低音の抜けがなくなり使うことができた。まぁ、リシェルするけどね。

 

まず、音はバランス接続とアンバランスでものすっごい変わった。バランスの方がグッと上と下のレンジが広がり、空間も広がった。ダイナミックだとこんなに変わらないと思うのだが。。。

d( ̄  ̄)

 

他の音は、、、まぁ、普通。

BAとして解像度が高いかな?と思ったが、まぁ普通。アシダホンの方が高い。

高音もそんなにの伸びる訳でもない。そして、BAらしく低音が沈まない。まぁ、普通のイヤホンかな。この音ならわざわざカスタムイヤホンを買わなくてもいいやって思えるレベル。

 

まぁ、気分になったらバラしてみようと思う。

 

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緊急事態宣言が出てテレワーク。

ピリッとしない日が続く。。。

 

 

チューニングの効果について

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sp1000購入後、主にdita dreamを使ってチューニングに取り組んできた。

何度も分解と再作成を繰り返し、かなり色々試したと思う。

sp1000は高解像度、分離が良いことで有名だが、dreamと組み合わせると、音源のアラに加え、チューニングの不都合がすごくわかってしまう。

右の方が僅かに高音が弱い、低音が強いとか音のバランスの不都合から、ベースが若干左に寄ると言った楽器単位の不整合。加えて、空間の広がりも左右で違ったりする。

筐体をほんの少し削っただけでこのバランスは変化するので、試聴を繰り返しながら気長に調整していくことになった。

 

私の左右のバランスを主とするチューニングでは、基本的に音の高音〜低音のバランスは大きく変化させない。そのため、例えば片耳だけで聴くとチューニングの前後で音は変わらないと思う。

d( ̄  ̄)

 

例えばベースをもっと主張させたい場合は、ベースにピントを当ててやる。その作業で、低音域が豊かに響くイヤホンになる。

まぁ、多少は低音を盛ってやるのも良いのだが、基本のスタンスはこんな感じ。

聴きたい音や楽器に強めにピントを合わせてやる感じで、高音〜低音バランスを変えてやるのと似た効果が得られると思う。

 

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年末に久しぶりにイヤホンを買った。

もう原型は残ってないが。。d( ̄  ̄)

久しぶりにイヤーピースで聴いてみると、sp1000では左右の音のバラツキが大変気になった。qp2r ではそんなに気にならなかったのに。。

 

イヤーピースで曖昧に固定するので聴く度に音のバランスが変化していく。指でも筐体を固定してやるとなんだが音が変になる。ピントを合わせるとか、そういう考えはイヤーピースでは難しいのだと思う。

カスタムシェルでガッチリ固定して微調整繰り返す事で聴こえてくる音がある。そう思わずにいれないかな。

(その意味で、ダイナミック1発のカスタムイヤーピースサービスには注意が必要。絶対適当にしか組んでもらえない。。。)

d( ̄  ̄)

 

さて。

dita dreamのチューニングはだいぶ進んだ。かなり楽しく聴けるようになってきた。しかし、まだ分解を繰り返している。

まぁ、ここまできたら、行けるところまで行ってみようと思う。

 

目下の目標は、ベースドラムの位置を中心に持ってくる事。これがなかなか難しい。

ベードラは、低音のみで構成されるのではなく結構高い音まで含まれている。低音のみの打ち込み音源だと調整は簡単なのだが、アコースティックになると、私の耳の場合、中心から僅かに右に寄ってしまう。

高音や低音のバランスを調整しても、効果なし。「音のアタック感」を調整できる、まだ気付いてないチューニングメニューがあるんだと思うのだが。。。d( ̄  ̄)

 

まぁ、気長にやりますかね。

 

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昨日、久しぶりに雪が降った。

白い景色は、非日常的な感覚を持たせてくれる。

少しでも眺めていたくて、駅まで歩いた。

 

また降らないかな。。。