自作備忘録(カスタム IEM 自作)

イヤホン カスタム iem 自作

素材イヤホンとして(アシダ音響 EA-HF1)

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最近は、イヤホン筐体からドライバは取り出さず、極力素のデザインを使っている。

ノーマルの筐体をつかうので、あまり音が変わらないように感じる人もおられるかも知れないが、そんな事はない。音は激変する。

気を抜いて組むとAMラジオみたいな音になったり、高音過多や低音過多、解像度があがったりさがったり、空間が広がったり一方に偏ったり。主な音の要素は大きく変更できる。(まぁ、そんなことはイヤホンを少しいじってみるとすぐ分かることだが。)

d( ̄  ̄)

 

そんななか、素材イヤホンとして大変良いと感じる機種がある。アシダ音響 EA-HF1。

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先日、組み直して10日くらい。レジンの硬化が進み音が締まってきた。全体の解像度が上がりさらに聴きやすくなった。特に低音の表情がわかりやすくなってきている。ベースの残響音の「弦の震え」が感じ取れるのがとても気持ちいい。

 

DITA dreamは評価が高いが、シンバルなどの金物やベースの残響音などをとてもリアルに気持ちよく聴かせてくれる。アシダホンはそれにかなり近いと感じる。ゼンハイザーやベイヤーダイナミックの高級機と比べても、全く劣らない。それどころか、ドライバが大口径なため低音域の余裕が抜群で、その領域では他の高級機より優っていると感じる。

音が優れているイヤホンは「透明感」があると感じられるが、アシダホンは特に目線より下方向、低音部の透明感が素晴らしい。目線より上方向に空間が広がるイヤホンは多いが、下方向に見渡せるイヤホンは少ないかも知れない。

 

 

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写真は何度か組み直した後のアシダホン。

現在の状態(このページ2枚目の写真)と比べて制振方法と音導管の太さが大きく違う。何度も分解や解体を繰り返してやっといい音に辿り着けたが、難しい素材ではある。

 

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また、特にプレーヤーによる印象も大きく変わる。

写真はqp2r とsp1000。

低音部が暴れ気味のqp2r に対して、おとなしすぎるsp1000。当然、イヤホンのチューニングも大きく変わった。

sp1000のように細かい音まできっちり聞かせてくれるプレーヤーは、造り込みの粗がわかりやすいため、イヤホンのチューニングがとても難しい。私も何度も心が折れそうになった。

d( ̄  ̄)

 

アシダホンはノーマルで聴くと、ネットレビューにある通り、ちょっと緩い音がする。だが、作り込んでやると有名どころのフラッグシップを超えられる音がする。

これを超える素材イヤホンには、なかなか出会えないだろうな。。。

 

 

素材イヤホンとして(アシダ音響 EA-HF1)

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最近は、イヤホン筐体からドライバは取り出さず、極力素のデザインを使っている。

ノーマルの筐体をつかうので、あまり音が変わらないように感じる人もおられるかも知れないが、そんな事はない。音は激変する。

気を抜いて組むとAMラジオみたいな音になったり、高音過多や低音過多、解像度があがったりさがったり、空間が広がったり一方に偏ったり。主な音の要素は大きく変更できる。(まぁ、そんなことはイヤホンを少しいじってみるとすぐ分かることだが。)

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そんななか、素材イヤホンとして大変良いと感じる機種がある。アシダ音響 EA-HF1。

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先日、組み直して10日くらい。レジンの硬化が進み音が締まってきた。全体の解像度が上がりさらに聴きやすくなった。特に低音の表情がわかりやすくなってきている。ベースの残響音の「弦の震え」が感じ取れるのがとても気持ちいい。

 

DITA dreamは評価が高いが、シンバルなどの金物やベースの残響音などをとてもリアルに気持ちよく聴かせてくれる。アシダホンはそれにかなり近いと感じる。ゼンハイザーやベイヤーダイナミックの高級機と比べても、全く劣らない。それどころか、ドライバが大口径なため低音域の余裕が抜群で、その領域では他の高級機より優っていると感じる。

音が優れているイヤホンは「透明感」があると感じられるが、アシダホンは特に目線より下方向、低音部の透明感が素晴らしい。目線より上方向に空間が広がるイヤホンは多いが、下方向に見渡せるイヤホンは少ないかも知れない。

 

 

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写真は何度か組み直した後のアシダホン。

現在の状態(このページ2枚目の写真)と比べて制振方法と音導管の太さが大きく違う。何度も分解や解体を繰り返してやっといい音に辿り着けたが、難しい素材ではある。

 

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また、特にプレーヤーによる印象も大きく変わる。

写真はqp2r とsp1000。

低音部が暴れ気味のqp2r に対して、おとなしすぎるsp1000。当然、イヤホンのチューニングも大きく変わった。

sp1000のように細かい音まできっちり聞かせてくれるプレーヤーは、造り込みの粗がわかりやすいため、イヤホンのチューニングがとても難しい。私も何度も心が折れそうになった。

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アシダホンはノーマルで聴くと、ネットレビューにある通り、ちょっと緩い音がする。だが、作り込んでやると有名どころのフラッグシップを超えられる音がする。

これを超える素材イヤホンには、なかなか出会えないだろうな。。。

 

 

DUNU titan3

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今週はBA機をやるつもりだった。

のだが、、どうもこの子が気になって仕方なくカスタム化することにした(カリクスさん、こんどやります!)。

DUNUのtitan3

1年ほど前に買っていたもの。MMCXのくせに、普通のMMCX端子では音が出ないというヘンテコ仕様。

ケーブルが無かったので、ろくに聴いていなかったのだが、ふと思い立って聴いてみると、意外に好感触。制振がガッツリ効いた音がする。また、13ミリというちょい大きめのドライバも気になった。制振を多くすると、解像度が上がる反面、残響音が少なくなり音がスッキリする印象がある。最近は制振を少なめに作ることが多いので、制振の音を確認するためにも良いと判断した。

振動板はtitan的な材質でコーティングされているらしいが、あまり差がわからない。私は振動板の種類より、シェルの造り込みの方が音に影響しそうな気がしている。

 

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構造は一般的なダイナミックドライバの筐体と大差ない。

ただ、ガッチガチに分厚めのステンレス筐体なので分解及び加工にはかなり苦労しそう。。。

 

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分解にはかなり難儀した。

とにかく硬かった。加熱すれば接着剤が柔らかくなることは分かっているが、ドライバを壊す可能性を考慮し今回は実施しなかった。

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上部を切断。

もう嫌になるほど時間がかかった。

ステンレスの分厚い筐体は本当に硬い。。。

d( ̄  ̄)

 

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今回は、筐体の穴をクリアレジンで蓋し、敢えて中身が見えるようにした。

ドライバ背後のフィルターが見えており、格好いいと思う。

音導管は、6ミリ。レジンはハード系のみとし、柔らかいレジンは使わなかった。

チューニングにはほぼ1日かかった。自分にあったチューニングの方法はだいぶ分かっているつもりでも、結構時間がかかる。

 

さて、出音。

音が近い。空間も広い。

だが、音の角が柔らかく、解像度感は低い。

また、空間は広いと感じられるのだが、制振が効いているせいか、空間には何もない。見通しが良いとも言えるし、味気ないとも言えると思う。

試しにアシダホンと聴き比べてみると音数の多さが全く違う。アシダホンのほうが圧倒的に多い。

だが、これが悪いかというとそうでもない。

静かな場所で聴くのであれば、アシダホンの方が良いのだが、電車など騒音の中で使うのであれば、これはこれで音が鮮明になり楽しいと感じられた。ロックなど、勢いのある曲を外で聴くにはむしろこの方が楽しいかも知れない。。。

 

 

今回は、制振の多さに着目してみた。外で使うならとても楽しく、この子も活躍してくれそうだ。

また、音作りの奥深さを改めて感じることができたと思う。d( ̄  ̄)

 

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連休おわりましたね。

 

 

 

BA機について

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少し前に購入していたLivezone LZ4を分解した。

イタリア製の特徴も見えればいいな。

 

フェイスプレートは木製。裏側から見ると、0.5ミリ程度の木片がよくわかる。時計の部品を使った装飾は面白さはあるのだが、意匠的には好き嫌いが分かれるところだと思う。また、時計部品を使うと、フェイスプレートが3ミリ程度と厚くなっていた。

だが、木製は雰囲気があり美しいと思う。

 

BAドライバは普通に固定されているが、固定は最小限のレジンで止まっているのみ。ガッツリ固定する方が制振効果が高いが、この機種はBAの響きを残そうとしているようだ。

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ドライバは4発。全てソニオンだった。

低音用BAにはベント穴が見える。

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今回はイタリアのものづくりを観察したかったのだが、何点か残念な点が見えた。

まず、写真家青丸の位置でビニールパイプがガッチリ折れていた。写真は分解後だが、組み付けてある状態ではもっと酷い折れ方だった。高音が大きく減衰していたと思われる。。。これは酷いな。

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続いて低音用の音導管。左右でかなり長さが違っている。

この辺りの調整をしっかり行うのは難しいと思うが、印象としてはかなり「雑」。

ジャンク箱に入っていた理由は、左右で音が揃わないっていう理由だったように思うが、この辺りも原因かも知れない。

(ちなみに、UEは結構しっかりつくってあると思う。)

d( ̄  ̄)

 

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そのままの構成でシェルに入れたところ。結構いっぱいになる。低音用のドライバを追加したかったのだが、どうすっかな。。

 

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半年ほど前に作りかけになっていたBA10発機。LZ4でやりたいと思うことは、たいがいこの子で実施済みだった。このため、LZ4はひとまず置いておいて、この子を仕上げる事にした。

 

カナルを短くしながら左右の音量を整えたあと、音導管に少しづつスポンジを入れて音を整えた。あと、フェイスプレートもつけてやった。

 

出音はあまり良くない。

まず、ダイナミックドライバに慣れた耳には、低音が足りない。低音の量も足りないが、低音楽器の残響が早く収束しすぎると感じた。

また、空間の広さは感じられるのだが、少し違和感がある。音源が複数あるような、すこし濁った印象が取れなかった。まぁ、ここは私の組み方に原因があるのかも知れないが。

楽器の音のリアルさは並だと思うが、DITA dreamの自然な鳴りに比べると、聞き劣ってしまう。

まぁ、比較対象として面白いので、このまま使おうと思う。

d( ̄  ̄)

 

 

今回、BA機の優位性はあまり感じられなかった。良いBA機との出会いがあれば考え方が変わると思うが、なかなかね、。。

 

 

 

アシダホン、ほぼ完成

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バラバラにした後の仮組みの状態。

低音量が多いのは良いが、かっちり制振するために筐体の上にはレジンをモリモリにしている。

アシダホンはこの部分にレジンをもってやると音が結構変わる。

 

私はアシダホンを絶賛するが、この部分の制振をする事が前提かな?

ノーマルのアシダホンでも結構効果があるので、試してみて欲しい。

 

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組み上げたところ。

アシダホンの独特のデザインは、カスタムシェルに入れるのは実は大変やっかい。隙間を殺すのに四苦八苦するわりに、なかなか格好良くならない。

ノーマルのデザインを活かしたい想いもあったが、今回はカバーをつけてやる事にした。

カバーは、ditaの刻印入り。

違うメーカーなのだが、ちょうどいいサイズのものがなかったので、お許しいただきたい。

d( ̄  ̄)

 

出音は、かなり良い。

低音が多いのは多いのだが、その低音が目線より低いところに鎮座し、どっしりときかせてくれる。10ミリクラスのドライバではなかなかこうならない。

また、低音を含む全体の解像度も大変高く、dita dreamや、ゼンハイザーのIE800と聴き比べても全く聴き劣りしない。

あと1台買い足して別のチューニングで楽しみたいくらいだ。

d( ̄  ̄)

 

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メインで使えるイヤホンが3台になった。

左から

ゼンハイザーのIE800

◯DITA のdream

◯アシダ音響のEA-HF1(通常 アシダホン)

 

どれもレンジが広大で、解像度高め、低音も少し強調している。

だが、聞こえる音は見事に違う。

柔らかく深いIE800。疲れた時にジャズなんかをしっとり聴きたい。

鮮烈で、音色が正確なdream。ハイハットやスネアなど、本物の音に本当に近い音を聞かせてくれる。また、1番の万能選手。静かなところで使うならこれかな。

低音が豊かで、下方向の空間も広大なアシダホン。

ドスンと迫力満点の低音を聴かせてくれるが、低音の解像度も高く、空間演出も上手い。ノリノリで聴きたい時にはこれかな。

 

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メインで使うイヤホンをあと3つは増やしたい。

候補はこの3つ。

ベイヤーダイナミックのエクセレント。

intimeのti3

finalのA3000

さて、どれから手をつけるかな。どれも個性的で面白い。使えるようにしておきたい。

d( ̄  ̄)

 

 

 

dita dream ほぼ完成

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再度組み直した。

今回の大きな変更点は、音導管の太さ。

これまで、低音を強調したかったので、音導管を細めにして高音を減衰させていたのだが、カナル先端部のチューニングで、そんなことをせずとも低音を強調させられる事がわかってきた。

 

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3ミリを一気に6ミリまで拡大した。

案の定、高域が淀みなく聴こえだした。

心配していた低音も、全く不足を感じない。

作り直す前より、各音域がバランス良く聴こえ、空間も広い。高い解像度を感じやすく、細部まで明瞭になった。

 

久しぶりに、いつまでも聴いていたくなる音になった。聴き慣れた音源も新鮮。

素晴らしい。d( ̄  ̄)

 

dreamはとても難しかった。10回じゃきかないくらい分解と組み直しを繰り返した。

諦めずに取り組んで良かった。

 

まだ、もう少しチューニングできるとは思うが、大満足だ。

 

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dreamが、成功したら今度はアシダホンが陳腐に聴こえだした。本来こんな音じゃないはず。。。

音導管を太く組み直す事にした。

d( ̄  ̄)

 

 

 

BQEYZ SUMMER レビュー

 

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最近は、ダイナミックドライバ単発ばかり作っていたので、少し色んな構成のイヤホンを聴くことにした。

BQEYZ SUMMER

Amazonで14000程度で購入。評判が良さそうだったのと、なんだか不思議なドライバ構成に興味があった。

 

試聴はアシダホンと比較しながら行った。プレーヤーはsp1000、ケーブルはノーマル。

アシダホンは激しくカスタムしているので、比較するのは酷だが、まぁ値段差もあるので。。。

バーンインは3時間程度。

 

1発目の出音は、あまり特筆すべきところがない。私は良いとは思わなかった。まぁ、チューニング前のイヤホンはこんなものかもしれないが、とにかくレンジが狭く、解像度も低いと感じた。音のつながりに不自然なところは少ないのは良い。また、低音の量が多いのも良いが、低音の細かな音が潰れてしまっているため、迫力を感じない。空間もなんだか濁っていると感じてしまった。

根本の音自体は悪くないと思うが、制振不足やらチューニング不足が目立ち、音を煮詰められた製品だとは感じなかった。

finalやintimeの新作辺りだと、同価格帯でもっと楽しめる。かなり気を使ってチューニングされている音になっている。やはり試聴せずに買うのは、よろしくないようだ。

d( ̄  ̄)

 

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ドライバ前面に音抜き穴が一つ。背面からの音抜きは2つ開いている。なぜに2つ?なんだかこの辺りから変な予感がした。

 

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そのままでは絶対使わないので、分解する。

筐体はかなり硬めのプラスチック。硬いというより、粘性が低く変形しない性質のもの。これでは変な響きが乗りそうな。。。

接着剤はかなり硬め。組み付けはかなり雑。あまり良いところが見つからない。

やはり、こういう部分も音に反映しているのだと思う。

 

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音の出口にはBAがみえる。

BAにはフィルター。

レンジの狭さを改善するためには、このフィルターを取ってみたら良いんじゃない?なんて気がする。

 

カスタムがするなら大胆に分解しないと使えないだろうな。。アシダホン買っておいたほうが良かったな。

d( ̄  ̄)