自作備忘録(カスタム IEM 自作)

イヤホン カスタム iem 自作

ドライバの口径による音質② 8ミリクラス

8ミリクラスとは、10ミリ未満のドライバとしたい。

一般にはイヤホンは10ミリドライバのものが圧倒的に多いが、それは「10ミリドライバが多く出回っているから、それを使ってみた」製品が多いだけだと思う。あえて10ミリ以外を使う拘りを感じたいのでこのクラスに注目している。

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8ミリクラスのドライバには、意外にいい音のものが多い。ゼンハイザーのIE800、ハイファイマンのRE800など。

ゼンハイザーのIE800は大好きな機種だが、まだチューニングが決まらない。今回はRE800を取り上げたい。

 

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ノーマルのRE800の出音はなかなか良い。低音の力感は少ないものの、高音に向かって障害なく音が抜けていく。また、空間も広い。空間に漂う付帯音は多くはないので細かな音に満たされる訳ではないが、綺麗に伸びる高音とあわせ大変スッキリした印象を出してくれる。

また、楽器の音色が正確。生で聞く音に近いと思う。

写真は、ノーマルのRE800の内部。みごとに全く普通の作り。100均イヤホンでもこんな感じ。作りが簡素な分、ドライバの底力があるような気にさせられる。

ドライバ前面には大きめの音抜き穴が開いており、かなり低音を抜いていると思う。

 

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写真はノーマルの筐体。音の出口の横に音抜き穴が見える。

ここに穴を開けると低音が減る。空間も若干開放的になる。また、装着した時の耳道内の圧力を逃してくれる。

私はこの穴が嫌いで、今まで塞いできた。ditaやゼンハイザー、ベイヤーダイナミックなどの高級機では穴を塞いでいる。塞いだほうが、シビアなチューニングができると感じている。

ただし、圧力が抜けなくなってしまうので、装着した時にドライバが圧力でパキパキ音を出してしまうが。。。

余談だが、社外品の耳形イヤーピースでは、ここの穴を塞ぐ設計なら要注意。穴を塞ぐだけでは音のバランスがガタガタになる。

 

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さて、RE800カスタム。

ドライバ前面のパーツ以外の部品は撤去した。シェルも薄くし、格好良くできたと思う。

 

ドライバ背後にはオモリを貼り付け、制振している。

オモリは、3個つかっている。

厚めのワッシャー 0.6グラム ×2

ベアリングボール 0.4グラム ×1

オモリは、レジンでガチガチに固めて初めて効果がわかると思う。両面テープで貼り付けた程度では効果は薄い。またイヤホンの場合、片耳で1グラムが最小かな。それより少ないと効果は薄い。

 

オモリによる制振の効果は、レジンの場合、3週間くらい経ってから安定する。それだけレジンの硬化に時間がかかるのだと思う。

今回のRE800では、低音の音圧を抑えるために使用した。例えばベースの場合、弦を弾くと弾いた音の後に弦の振動する音が左手の指を離すまで続く。この振動が、弦を弾く音より大きくならないようにオモリで調整するイメージかな。

ベースの音は大好きなのだが、この辺りのバランスがおかしなイヤホンは多いと思う。

 

さて、出音。

高音はA3000ドライバには及ばないものの、かなり正確に出ている。A3000ドライバが反則級に高音が良いだけで、RE800ドライバも普通のハイエンド機に負けない表現力を持っている。

 

空間は広く、遠くにあるべき楽器はちゃんと遠くに配置される。空間の隙間の音はちょっと少なめ。dita dreamと比べるとリアリティが少ないのかも知れないが、解像度感は低くなくこれはこれで気持ちいいと感じる。

 

低音は力感たっぷりなのだが、口径の小さいA3000ドライバの方が下まで出ていると感じる。だが迫力があり電車の中など騒音の中で使う時には、こちらの方が断然楽しい。

低音のピークはちょっとだけ腰高。大口径ドライバの下から突き上げてくるような感じでは無く、低音付近の空間はあまり下に広がらない。

だが、通勤時などぼんやり気楽に聴くには、なかなか気持ちいいバランスで使用頻度は高い。

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まとめ

ドライバの口径を5ミリクラスから8ミリクラスに変えた場合の音質は予想通り、高音域の表現力が少し落ち、低音の力感が変わった。ただし、低音の量自体は大差なし。空間表現は5ミリの方が優れていた。

 

さて、次は10ミリクラス。

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